【お題】図書館一日司書体験

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フン、本など読まん愚弟には分かるまいが、俺は今ちょっとした高揚感を覚えている。 復興したレッドグレイヴ図書館一日司書体験している所だ。 図書館ルール守らん愚弟の様な騒がしい奴は俺が直々に成敗してやる。 しかし、俺が読みたい本があまりなかったのは残念だ。 もっと禁書を置いてくれ。 愚弟が図書館に雑誌を読みに来た。 ここには貴様が読むようなのはないぞ、と言ってやったら、持ち込みはOKなんだよな!と言って、涼みだした。 また事務所の電気止められてエアコン使えないからって、図書館に涼みに来るな! My Son(ネロ)も来た。 子ども達に読み聞かせる用の絵本と、My Sonの彼女(キリエ)に頼まれたのかレシピ本を借りに来た。 これなんかどうだ、と絵本をいくつか見繕ってやったら、 ネロ:「親父、もし、俺が子どもだったら、こういうの、読み聞かせてくれたのか?」 と言ってMySonが少しはにかんだ笑顔を見せる。 バージル:「俺が親父に読んで欲しかった本だ」 ネロ:「え?スパーダって、絵本、親父達に読んだりとかしなかったのか?」 バージル:「いや、読もうとはしてくれたんだが、ダンテがすぐに寝るか、暴れ出すかしてしまってな。」 ネロ:「あ~……。」チラっとダンテを見るネロ。ダンテは、雑誌を読みながら、寛ぎまくっている。 …ここは貴様の家ではない。 溜息が出る俺。 ネロ:「親父、ありがとな。」 バージル:「礼には及ばん。寧ろ俺がお前に礼を言いたい。」 ネロ:「?」 「…お前に読んでやれなかった。すまないな。」「そんな俺に、聞いてくれた事を有り難く思う。」と言うべきだったが、気まずいのと恥ずかしさで、言えなかった。 「?」状態のネロの本の貸出し手続きを済ませた俺は、ネロに本を手渡すと、無言で次元を切り裂き、立ち去った。 ネロ:「おい!親父!一日司書じゃなかったのかよ?!」 ダンテ:「バージルの奴、また勝手に居なくなりやがったのか。全くしょうがない兄貴だぜ。」雑誌をヒラヒラさせながら、ダンテは笑う。 ネロ:「アンタもな。その持ち込み雑誌、この場所にそぐわねぇっての。」あぁもう、やだこの兄弟。 ネロは、考えない事にした。 ニコ:「おぅ!ネロ!迎えに来たら、移動図書館と間違われたよ!」ニコがトレーラーから手を振る。 オチも何もないが、司書体験も悪くないと思うバージルであった。 一方、図書館は勝手に居なくなったバージルと我が物顔でいかがわしい雑誌を手に寛ぐダンテに、出禁を出そうと思うのであった。